輸出入・湾岸関連情報処理センター株式会社(略称:NACCS(ナックス))が運営管理しているNACCSリアルタイム口座を導入することで、国際クーリエから請求される関税立替手数料を無料にすることができます。
関税・消費税の支払いは輸入通関時、リアルタイムで口座振替で支払いとなるため、資金繰り的にはマイナスとも考えられますが、とはいえ、手数料だけで見ればそれほど大きな金額ではなく、カットできる手数料分は全て利益に直結することを考えれば、導入しない理由は全く見つからないでしょう。
日本輸出入者標準コードと合わせて通関速度も上がり、非常に大きなメリットがありますので、中国輸入実践者は必ず導入するようにしましょう。
1.NACCSリアルタイム口座振替とは?
NACCSリアルタイム口座振替とは、輸入時の関税・消費税の支払いをリアルタイムで口座振替できる仕組みのことです。
中国輸入ビジネスを実践している方のほとんどは、輸入代行業者を利用して輸入→FBA納品を行なっていると思います。
その場合、関税・消費税の支払いは、輸入完了後通関を代行している国際クーリエから封書で請求があり、支払い方法は銀行振込( もしくはその場で代金引換、現金支払い)。
国際クーリエはあなたの代わりに通関時の関税・消費税を立て替えてくれているので、FBA直納品サービスでよく利用されているOCSであれば、関税立替手数料として1ダンボールあたり700円徴収します。
仮に月商100万程度の規模の場合、1回の仕入れでダンボール10箱程度は最低でもあるはずなので、それで計算すれば、1回の輸入だけで、関税立替手数料が7000円請求されます。
年間で考えると、7000円×12ヶ月で、合計84000円。
もちろん、これが月商1000万なら単純に10倍。
関税立替手数料だけでも本当にバカにならない金額になります。
NACCSリアルタイム口座振替を導入すれば、これらの関税立替手数料を全て無料にすることができます。
短期的には常に口座に一定金額を入れておくデメリットはありますが、長期的に考えれば、関税立替手数料分は全て利益に直結するので、必ず導入することをオススメします。
2.NACCSリアルタイム口座振替の導入方法
NACCSリアルタイム口座振替を導入するには、日本輸出入者標準コードの取得が必要です。
日本輸出入者標準コードを取得していない場合は、下記記事を参考にコードを取得してください。
日本輸出入者標準コードを取得した後は、こちらをクリックしてNACCS公式掲示板を開きます。


ページを開いたら、まずは実際に口座振替を希望する銀行が対応しているかを確認しましょう。
大手銀行の口座を使いたい場合は、「銀行(227KBytes)」をクリック。
信用金庫の口座を使いたい場合は、「信用金庫(328KBytes)」をクリックします。


クリックして開いたPDFデータに表示されていない銀行は、NACCSリアルタイム口座に対応していませんので注意してください。
もしどうしても指定の銀行口座を使いたい場合、未対応の銀行に問い合わせて要望として伝えてみてください。
私は使いたい銀行口座があったので、一度NACCSに問い合わせてみましたが、NACCSではなくて銀行に問い合わせてくれと言われたので、とりあえず使いたい銀行に連絡を入れてみました。
実際に導入されるかは分かりませんが、場合によっては使えるようになることもあると思います。



登録する銀行口座を決めたら、下記3つをクリックしてPDFデータをダウンロードします。
- PDF版
- 申込用紙記載要領
- 三者間契約の手順


ダウンロードした3つのPDFデータは全て印刷してください。
(三者間契約の手順も印刷してください。郵送先が明記されているので、切り取って封筒に貼り付ければ住所記入の手間が省けます。)
- 納付申出書

- 記入例

- 契約の手順


全ての書類を印刷後、記入例に従い納付申出書に記入していきます。
納付申出書は記入できたら、内容に間違いがないか必ず確認しましょう。
記入ミスがあれば提出しても後日返送されてしまい、登録が遅れてしまうため注意が必要しましょう。
もし記入内容に不安があれば、NACCSに問い合わせて事前に確認してください。
記入内容をしっかりと確認し問題がないことを確認した上で、書類を郵送しましょう。

おおよそ1週間くらいでNACCSから郵送で登録通知完了の書類が届きます。
登録通知完了書類には、利用開始日が記載されているので、その日からNACCSリアルタイム口座を利用することができます。
実際にリアルタイム口座を利用するには、自分が使う国際クーリエに登録した口座情報を伝える必要があります。
輸入にOCSを利用されている方は、OCSに電話を入れて、NACCSリアルタイム口座導入の旨を伝えましょう。
その際、口座登録情報が必要になるので、事前に準備しておきます。
必要口座情報
金融機関コード(4桁)+支店コード(3桁)+口座番号(7桁)
(口座番号などが桁数に満たない場合は、番号左側に0(ゼロ)を個数分付記する)
OCSの問い合わせは、すでに輸入実績がある方は、関税・消費税の請求書類に記載されている問い合わせ先へ連絡するか、そういった書類を持っていない方は、OCSの公式HP最下部に記載されているお問い合わせ先へ電話し、リアルタイム口座を利用したい旨と必要口座情報を伝えましょう。
利用が認められた後は、口座に関税・消費税の支払い資金を入れておけばOKです。
そして、もし万が一関税・消費税の口座振替時に口座に入れてある資金が足りなくて引き落としがされなかった場合は、必要な金額をすぐに入金し、その後OCS(利用している国際クーリエ)に必ず連絡を入れるようにしましょう。
お金を入れた後に自動で再振替されるわけではないので、要注意してください。
根本的なこととしては、そうならないように登録口座には必要な資金をしっかり入れておくことです。
3.まとめ
- NACCSリアルタイム口座振替を導入すれば、関税立替手数料が無料になる
- NACCSリアルタイム口座振替を導入すれば、関税・消費税の支払いが輸入通関時に口座振替が可能
- NACCSリアルタイム口座振替の導入は、NACCS公式HPから手続きが可能
- NACCSリアルタイム口座振替の導入には、先に日本輸出入者標準コードの取得が必要
- NACCSリアルタイム口座振替の登録流れは、NACCS公式HPで必要書類ダウンロード→印刷→記入→郵送
- NACCSリアルタイム口座振替の登録完了は書類郵送から1週間程度で完了通知書類が郵送で届く
- NACCSリアルタイム口座振替を実際に利用するには、利用する国際クーリエへ事前に電話を入れる
- 国際クーリエへ電話を入れる前に登録口座情報を準備しておく
- 登録口座には関税・消費税の支払いに耐えうるだけの資金を必ず入れておく
- もし資金が足りなくて口座振替がされなかった場合は、すぐに資金を投入して国際クーリエへ連絡する
日本輸出入者標準コードと合わせてNACCSリアルタイム口座振替を利用すれば、通関速度が上がる上に関税立替手数料が無料になり、一石二鳥です。
関税・消費税の支払いが後払いにならない分、資金繰り面ではマイナス評価にはなりますが、カットできる関税立替手数料は利益に直結することを考えれば、デメリットを補って余りあるほどのメリットがあると思います。
中国輸入ビジネスを実践される方にとっては、非常に大きなメリットのある内容だと思いますので、ぜひ当記事を参考にNACCSリアルタイム口座振替を導入してみてください。
NACCSリアルタイム口座振替の導入には、日本輸出入者標準コードの取得が必要です。
まだ取得していない場合は、下記記事を参考に日本輸出入者標準コードを取得してください。
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